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月給一万円?

新人アニメーターの月給一万円 当局はなんで介入しないの?(ZiNGER-HOLE)


個人的に思った事。
何十年も前から色々な媒体で言われている事だし、このブログでも書いた記憶がある。
本当に「何回目だよ」と思うけれど。

久々の長文なので続きに。

続き。

専門学校も行かずサラリーマン(印刷業)から転職した自分。会社の都合(旅行)により入社時は半月しか働けなかったが手取りは2万5千円位だった。当時いた会社は400枚まで1枚100円、400枚以上からは120円か140円という動画単価だった。記憶が曖昧なので間違っているかもしれないが。

昨今の絵柄と線、影の密度の高さから、確かに枚数を上げるのは困難だと思う。原作ものにあるような、1枚に何時間も掛けても良いような絵を再現しろというのは酷だ。月に200枚程度しか上げられない人がいるとの話も聞く。だからリンク先のタイトルもあながちウソでは無いと思う。

しかしながら中国で動画検査をしていた4年間、現地の動画マンは1000~2000枚を上げる人もいたし、緊急時以外は徹夜や残業もしない。それも日本での単価ではなく、色々と引かれた単価であり、1枚あたり数十円にしかならない。だが黙々とこなし、物価が違うとはいえ稼いで家を建てる者、早期に結婚する者、辞めて店を開く人も多かった。海外撒き、という事はそれだけ時間が無いという事なので国内よりも条件としては厳しい。動画+仕上げ(着色)数百枚を数時間で上げろ、という事も多い。電送ともなればスキャンデータの印刷、タップ穴を合わせて貼る、大判ならば複数に分割した紙をセロハンテープで貼り合わせなければならない。線の薄い原画や潰れて見えにくい物だってある。

国内ならば当たり前だが日本語が通じるわけで、原画に書かれた注意書きも読める。わからなければ元請けの会社に電話で問い合わせたり身近な先輩に聞けるだろうし、間に合わないという事であれば手伝ってもくれるだろう。だから甘えにしか聞こえない。1万円しか稼げないのなら、そもそもこの仕事に向いていない。ぼやいていないでさっさと辞めちまえ!、と。

>1日1枚の動画しか描けなければ日給150円ということもあり得るわけだ。
上でウソではないと書いたが、これはちょっと無いだろうと思う。今時その単価自体もね。1枚しか上がらないというのはスタンダードではなく、大判にモブが隙間無くギッシリ描かれた物だったらあり得るかもしれない。だが今はデジタルで楽にやれるようになったのでそうそうない。

現在、業界歴28年目の私。手取りで10万円を超えたのは原画になった6年目辺り。それだけ遅筆で稼げず6年近く動画をやっていた自分の経験からすると、確かに要求される質は高くて1枚1枚に時間が掛かるのは理解できる。だが、仕事として「割り切れていない」、もしくは「仕事をやらされている」という意識があったり、内容を理解出来ずに「悩んでいる時間が長い」、といった感じで仕事が出来ていないのだと思う。もとより画力が足りず描き直したり、消しゴムを掛ける事が多すぎる人も多いと思う(←昔の自分がそう)。集中力が足りていない人もいると思う。また、業界に入れた事で満足してしまい、そこで止まってしまう人もいるのかもしれない。仕事に集中せずに騒いでいる人もいる。会社は学校じゃないのだが。

今の動画マンに対してはハッキリ言えば原画に上がれるチャンスは多い。悲観したとしても動画で一生を終える事はさすがに無い(例外として動画専門で長くやっている方はいる事はいる)。何故なら動画自体は中国など海外へ出すのが当たり前になって来ている。質的に重宝される動画マンは一握りだろうし、その分枚数は上がらない事は明白、そんな人が頑張ってもTVアニメ1本においてやれる量は少ない。動画検査という役職を選ぶなら別だが、そこそこに描ける人なら原画マンにはなれる。私がやっていた頃のように、月1000枚以上動画を描けないと原画マンになれないというルールも無いのだから。問題はその先、作画監督やキャラデザ、演出など他の役職へと進む事かもしれない。

リンク先でのコメントでも見かけるとおり、自己責任でもあるし、無理矢理続けて後戻り出来ない(私のように年齢的に転職出来ない)ところまで行ってしまう場合もある。裕福な家庭ならともかく、当たり前のように後々辛くなってくる。だから私は就職に関する相談を受けてもこの業界に入る事を勧めない。現時点で食えない動画マンをやっているのなら、早めに辞めるよう言っている。こういった絵で食いたいなら、他にも仕事はある(食って行ける保証は出来ないが)。

記事の最後にある「古い絵しか描けない昔のアニメーターは~」、という点は確かにそう思う。しかし最近のシステムは一原(レイアウト、ラフ原画)、二原(要は清書)と分かれている。一原ならば単価としては半分となるが、余程似せられない、老化によって線が引けない、クセが強すぎる人以外は続けられるだろうと思う。それだけベテランともなれば文句を言わせない(聞かない)ケースもあるだろうし、逆に絵は古くとも長く続けているだけにパースはしっかりしている、動きや演技がきちんと描けている、という事もある。絵柄の古さで、というのはそれで直すのには苦労したが、現役の70代のアニメーターだっている(汗)。

そうなる前に次の事を考えて指導側に回ったり、別の続け方はあるかと思う。不安が、とか言ったら私なんかは不安だらけで眠れない。だから先の事も考えて育成や人との繋がりを重視しておきたいと思っている。

特殊な職業だから単価を上げて、生活を保証して、とか意見は色々見る。でも、自分の経験上、何故だろうか非常識な人がいて、質を考えない、人と協力しない、余計な苦労をしたくない、自分が食えるだけの分しか働かない、という人を多く見ている。だから仮に単価を上げたとしても怠けるダメな人が増えるだけのような気がする。過酷な状況だからこそ、ふるいに掛けられて頑張れる人だけが残るような。苦労が報われるだけの収入はあるに越した事は無いけれど・・・。


以上、長文&乱文ですみませんでしたm(__)m

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